コロナショックの底でインデックスファンドを狼狽売りした私が、その後変えた3つの意識を解説します。含み損が怖くなっても売らずに済む考え方・仕組みの作り方・暴落を「チャンス」に変えるメンタル術を、実体験をもとに紹介します。
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2020年3月、私はコロナショックの底でインデックスファンドをほぼ全部売った。
売った後、しばらくスマホを握ったまま動けなかったのを覚えています。「やっと終わった」という安堵感と、「本当にこれで良かったのか」という不安が、胸の中でぐるぐると混在していました。でも、あのとき確実に感じていたのは「とにかく楽になった」という感覚でした。
今この記事を読んでいるあなたも、もしかしたら似た気持ちを抱えているかもしれません。NISAの口座を確認したら含み損が出ていた。毎朝スマホを開くたびに数字が下がっている。「このまま持ち続けていいのか」「それとも今のうちに売るべきか」——そんな不安が頭を離れない。
「狼狽売りしてはいけない」という正論は、売る前からちゃんと知っていました。でも、それでも売った。だからこそ私は、意志力に頼るのをやめて、仕組みで解決することにしました。この記事では、なぜ「正しいとわかっていても感情で売ってしまうのか」という構造と、「二度と同じ状況に自分を追い込まないための設計」を共有します。
結論を先にお伝えします。NISAの含み損に対する正解行動は「何もしない(ほったらかし)」ではなく、最初から何も判断しなくていい状態を設計することです。私は2020年3月に底値で売ってしまったからこそ、そのことに気づけました。
2020年3月、私はコロナショックの底でインデックスファンドを全部売った
売った瞬間の安堵感と、翌週の後悔
2020年3月19日、日経平均株価は16,358円まで下落していました。評価損は100万円超。スマホで口座を確認するたびに赤い数字が広がっていく。最初は「長期投資だから大丈夫」と言い聞かせていましたが、ニュースで「リーマン以来最大の下落」「底がどこかわからない」という言葉を毎日目にするうち、限界を超えました。
怖いというより、「もう終わりだ」という感覚でした。損が増え続けているのに、ただ見ているだけ——それが耐えられなかった。そして、売りました。
売った瞬間の感覚は今でも覚えています。「確定ボタン」を押したときの、あの妙な安堵感。損失は確定したけれど、もうこれ以上悪くはならない。あの血の気が引くような毎朝の確認作業から解放された——そんな気持ちでした。
ところが、安堵感は3日も持ちませんでした。売った翌週から相場が反転。日経平均は3月23日を底に急回復し、4月に入ると私が売った水準をあっさり超えていきました。スマホで確認するたびに「あの値段で持っていれば今ごろ……」という数字が表示される。安堵感の残骸が、じわじわと自己嫌悪に塗り替えられていきました。
「狼狽売りしてはいけない」と知っていたのに、なぜ売ったのか
一番しんどかったのは「自分はわかっていたのに」という部分でした。インデックス投資の本は複数冊読んでいたし、「暴落時に売るのが最もやってはいけないこと」という知識は持っていた。それでも売った。
でも後になって気づいたのですが、あれは意志力の問題ではなかった。感情が処理できる限界を超えた状態で、毎日判断を迫られ続けた結果でした。含み損が増えるたびに「今日は売るべきか、持ち続けるべきか」という判断をリアルタイムで強いられ続けた。人間は判断の連続によって消耗する。最終的に私は、消耗しきった状態で「売る」ボタンを押した。それだけのことでした。
意志力を鍛えることが答えではない。判断する状況そのものを設計で排除するしか根本的な解決はない——そこに気づくまでに、私はもう少し時間と損失が必要でした。
NISA含み損が「怖い」は正常反応。でも感情のまま判断してはいけない理由
含み損を見たときに人が取る行動パターン
含み損が出ているとき、人がとりがちな行動は大きく3段階あります。①口座アプリを1日に何度も開く「確認の増加」、②「NISA 暴落 どうする」で検索し続ける「情報収集の増加」、そして③不安を解消するために「売却」で心理的な決着をつけようとする——この順番です。
私はこの3段階を全部踏み、最後に売りました。このサイクルは自然な人間の反応で、恥ずかしいことでもなんでもない。ただ、このサイクルをそのまま進めると、ほぼ確実に最悪のタイミングで売ることになります。
NISAで売ってしまうと起きること——損益通算不可・非課税枠の消滅
含み損のある状態でNISA口座を売却した場合、注意すべき点が2つあります。まず損益通算ができません。特定口座なら損失を他の利益と相殺して税金を減らせますが、NISA口座で生じた損失は税制上「なかったこと」として扱われます。次に使った非課税枠は当年分が消えます(新NISAでは翌年以降に復活しますが)。感情のまま売ることは、損失の確定と制度のメリット消失を同時に引き起こします。
コロナショックの回復チャート——「売った人」と「持ち続けた人」の差
コロナショックで日経平均は約32%下落しましたが、2020年末には約27,000円台まで回復し、2021年には30年ぶりの高値水準に達しました。リーマンショックでも回復に数年かかりましたが、「持ち続けた人」と「売った人」の差は最終的に大きく開いています。
私が底値で売ったことで生じたコストは、インデックスファンドだけで約50万円でした(確定損+その後の回復分を逃した機会損失の合算)。あの水準で持ち続けていれば、それがプラスに転じていた。「売ってしまったこと」の代償は、数字以上に大きかったと感じています。
「売るべきか、持ち続けるべきか」——私が出した答えと、その根拠
売る判断が正しいケース・正しくないケース
「売ってはいけない」という一元的な答えは正確ではありません。売ることが合理的なケースは、近い将来(1〜3年以内)に資金が必要な場合や、そもそも自分のリスク許容度に合っていない商品を選んでいたと気づいた場合です。一方、売ることが合理的でないケースは、資金が10年以上不要で相場の一時的な下落に不安を感じているだけの場合や、感情的な安堵のために売ろうとしている場合(これが私のケースでした)です。
「なぜ持ち続けるのか」という理由が自分の状況に合っているかどうかを確認することが先決です。また、NISA口座での売却は損益通算ができないため、「損失を他の利益と相殺したい」という目的があるなら特定口座の資産を対象にする方が合理的です。
「放置でいい」は本当か——放置が機能する条件
「長期投資は放置でいい」という言葉が機能するためには条件があります。放置が機能するのは、投資期間が10年以上あり、生活費とは切り離した余裕資金で運用していて、相場を頻繁に確認しない仕組みがある場合です。毎日口座を確認してしまう環境がある状態で「放置でいい」と言われても、実行するのは困難です。「放置でいい」のではなく、「放置できる状態を設計する」——これが私がたどり着いた本質的な答えです。
500万円以上を失って気づいた、「ルール」では解決できない理由
インデックス狼狽売り+個別株塩漬け+レバETF——3つの失敗が重なった全体像
正直に書きます。私が確定させた損失の合計は約570万円です。内訳はこうです。個別株ではサイバーダインに342万円(2,100株をナンピンし続け、2,000円前後で買ったものを300円で売却)、さくらインターネットに58万円(高値掴みして中途半端なタイミングで売却、その後株価は10倍以上になりました)。日経平均レバレッジETFのスイングトレードで119万円(16回取引して7勝9敗)。そしてコロナショックでインデックスファンドを底値付近で狼狽売りして約50万円の損失(確定損+その後の回復分を逃した機会損失を合算した金額)。
この数字を書くのは恥ずかしいです。でも書きます。「自分だけがひどい失敗をした」という感覚で苦しんでいる人に、「知識があっても、感情が溢れた瞬間に判断は崩れる」ということを具体的な数字で示したいからです。
損失後に「仕組み」に気づくまで
損失が確定した後、私は2ヶ月近く口座を開けませんでした。「自分は投資に向いていないのかもしれない」という自己否定のループにはまっていました。
転機になったのは、エンジニアとしての仕事中に気づいたことでした。私は職業柄「人間のミスをシステムで防ぐ」という考え方を日常的にしています。なのに投資だけは意志力で解決しようとしていた。これは感情制御の問題ではなく、システム設計の問題だ——そう捉え直したとき、視界が開けました。
「ルールを作ること」も最初に試みましたが、機能しませんでした。ルールは感情が平穏なときに設計されている。相場が荒れ、含み損が膨らんでいく状態では、紙のルールは最初に消えます。ルールは自分が守るもの。仕組みは、守らなくていい状態を作るもの。この違いを理解したとき、私の設計は変わりました。
エンジニアとして考えた「含み損でも判断しなくていいポートフォリオの設計」
仕組み①:自動積立を「変更する手間がかかる状態」にする
積立の最大の敵は「今月は休もうかな」という気持ちです。私が変えたのは、積立設定を変更しにくい状態を意図的に作ること。PCでしか変更できないようにしたり、2段階認証の手間を意図的に残したりして、「止めたい」という衝動に対して摩擦を増やしました。SBI証券や楽天証券の積立設定は一度セットすれば自動継続されます。「止めるためには手間がかかる」という状態を積極的に活用しました。
仕組み②:確認頻度を事前にカレンダーに登録する
「月1回の確認ルール」ではなく「確認する日を事前にカレンダーに登録する」という方法を取っています。毎月最終土曜日の午前10時と決めて、それ以外の日は口座アプリを開かない。さらに証券アプリの通知をすべてオフにしました。これだけで、日常的な「相場が気になる」という感覚は大幅に薄れます。
仕組み③:下落幅別の行動マップを事前に作る
これが最も効果的でした。相場が平穏なうちに「もし下落したらどうするか」を書き出しておく。私のフォーマットはシンプルです。
- -10%の下落:何もしない。積立継続。確認は次の月次チェックまで待つ。
- -20%の下落:ポートフォリオを確認。追加投資の資金があれば検討する。売却は検討しない。
- -30%以上の下落:あらかじめ決めた買い増し用の現金から追加投資を検討。必ず信頼できる人と相談してから判断する。
大事なのは「売却」がこのマップに登場しないことです。売却を検討するのは、投資目的が変わったとき(近い将来に資金が必要になったなど)だけ、とあらかじめ決めています。
仕組み④:「コア」と「サテライト」に分けて、コアは見ない
私は今、資産を「コア(全世界インデックス積立・月1回しか見ない)」と「サテライト(個別株等・積極管理、ただし全体の15%以内)」に分けています。コアとサテライトを分けることで、サテライトが下落しても全体の傷が限定的になり、「コアは判断しなくていい」という安心感が暴落局面での衝動的な行動を抑えてくれます。
この設計に切り替えてから数年が経ちます。当時500万円超の損失を抱えていた状況から、コツコツと積み立てを続けた結果、資産総額は現在4,500万円を超えました。一発逆転ではなく、設計を変えて感情の影響を減らしたことで積立を継続できた——その積み重ねが数字になっています。
含み損が出ているいま、今日から動ける3ステップ
ステップ1:今日はスマホを閉じる
含み損が出ていて不安を感じているとき、最初にやることは「今日は何も決定しない」という判断です。投資の判断に「今日中」という締め切りはありません。焦りを感じているときほど、意図的に判断を遅らせることが重要です。まずスマホのアプリ通知をオフにする操作だけ、今日やってみてください。それだけで十分です。
ステップ2:「下落幅別の行動マップ」を30分で作る
今日から1週間以内に、行動マップを作ってみてください。紙1枚でもスマホのメモでも構いません。「-10%になったら何をするか」「-20%になったら何をするか」「-30%以上になったら何をするか」——それぞれに「何もしない」「確認するだけ」「追加投資を検討」から選んで書く。売却は基本的に選択肢から外す。平静なときの自分の判断を記録しておくことが、相場が荒れたときの衝動的な行動の抑止力になります。
ステップ3:自動積立を「やめるのが面倒な状態」にセットし直す
SBI証券の「クレカ積立」や楽天証券の「楽天カード積立」の変更には少し手間がかかります。この「変更の手間」を味方につけてください。積立金額がリスク許容度に合っているか確認し、合っていれば「変更しない」と決める。合っていなければ今のうちに適正額に調整する。ドルコスト平均法の効果が最大になるのは下落局面です。感情的には「今は買いたくない」と感じるタイミングが、実は有利なタイミングだったりします。それを自動でやってくれるのが積立の仕組みです。
よくある質問(FAQ)
Q:含み損が50万円を超えているが、損切りすべきか?
損切りが有効なのは、資金が近い将来必要になる場合や、リスク許容度を超えた投資をしていたと気づいた場合です。「損失が怖いから」という理由だけでNISA口座で売却すると、損益通算もできず非課税枠も消えます。まず「この資金はいつ必要か」「リスク許容度に合った投資額か」を確認することをおすすめします。
Q:一度狼狽売りしてしまった。もう一度投資を始めていいのか?
再開して問題ありません。私自身がそのケースです。ただし、同じ環境・同じ心理状態で再開すると同じ判断をしてしまいます。まず設計(確認頻度・行動マップ・通知設定)を整えてから、小額で再開するのが現実的だと思います。
Q:NISA口座の含み損は税金上どうなるのか?
NISA口座での損失は税務上「ないもの」として扱われ、特定口座の利益との損益通算はできません。新NISA(2024年〜)では翌年以降に非課税枠が復活しますが、当年分は戻りません。この点を踏まえると、NISA口座の売却判断は特に慎重に行う必要があります。
Q:感情的な性格だが、それでも長期投資を続けられるか?
続けられます。「長期投資に向いている・向いていない」という性格論はあまり意味がないと思っています。私自身、感情的に動いて500万円超を失っています。性格ではなく設計の問題です。感情が溢れても大きな判断をしなくていい状態を先に設計する方が、はるかに現実的で効果的です。
まとめ——「何もしない」より「判断しなくていい状態を作る」
含み損が出ているとき、正しい行動は「何もしないこと」ではなく、最初から何も判断しなくていい状態を設計しておくことです。
私は2020年3月に底値で売り、500万円超の損失を経験しました。その後、意志力ではなく仕組みで解決するという発想に切り替えて、具体的な設計(通知オフ・月1確認・行動マップ・コア/サテライト分離)を実装しました。その結果が、今の4,500万円という数字です。
含み損は怖い。毎朝確認したくなる気持ちも、早く決着をつけたい気持ちも、すごくよくわかります。でも、その感情のまま動くのではなく、「次の暴落が来たときに自分がどう動くか」を今のうちに設計しておく——それだけで、未来の自分の選択肢は大きく変わります。同じ失敗を繰り返さないために、今日1つだけ動いてみてください。
投資口座の開設・積立設定を見直す方へ
私が積立の設計を見直す際に使っているのは、SBI証券と楽天証券です。どちらもNISA口座での積立設定が充実していて、クレジットカード積立によるポイント還元も受けられます。「変更するのが少し手間」という積立環境を作るうえでも、使いやすい証券会社だと感じています。
まだ口座を持っていない方、あるいは積立設定を見直したい方は、それぞれの公式サイトで最新のキャンペーンや手数料体系を確認してみてください。私自身が継続的に使っているサービスとして、自然にお伝えできます。
「コロナで売った私と同じ状況の人が、次の下落が来たときに同じことをしなくて済むように」——そういう気持ちでこの記事を書きました。何か一つでも参考になれば嬉しいです。

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