積立NISA暴落時どうする?売って3年間動けなかった実体験

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「積立NISAが暴落してる…このまま続けていていいのかな」
「もう一回上がってから売って、底で買い直した方がいいんじゃないか」
「含み損を見るたびに、気になって眠れない」

この記事では、暴落時になぜ感情で動いてしまうのか、そして「何もしない」を実行できる仕組みをつくるにはどうすればいいかを、実体験をもとに解説します。

暴落のニュースが流れるたびに、不安になりますよね。「継続が正解」というのは頭では分かっている。でも、画面に映る赤い数字を見ていると、「今のうちに売って、底で買い戻せばいいんじゃないか」という考えが頭をよぎります。

その気持ち、よく分かります。私も2020年のコロナショックで、まったく同じことをやりました。含み損にすらなっていない段階で積立を売り、「底で買い戻す」つもりが、相場に戻れたのは3年後のことでした。

この記事では、なぜ知識があっても暴落時に売ってしまうのか(心理的メカニズム)と、売らずに済む仕組みのつくり方を、自分の失敗体験を交えながらお伝えします。「一度売ってしまった人」向けのリカバリーパートも設けています。同じ轍を踏んでほしくない、というのが正直な気持ちです。

この記事の結論
暴落時は「何もしない」が正解。
ただし、感情に負けない仕組みが必要。

積立継続
感情設計
仕組みで動く

目次

なぜ「継続が正解」と知っていても売ってしまうのか

投資の勉強をしている人なら、「暴落は一時的」「長期積立は続けることが大事」という原則は知っています。それでも売ってしまう。なぜでしょうか。答えは「知識」の問題ではなく、「脳の設計」の問題だからです。

損失回避バイアスとは何か

行動経済学に「損失回避バイアス」という概念があります。人間は「1万円を得る喜び」より「1万円を失う痛み」を約2倍強く感じるようにできている、というものです。これは石器時代から続く生存本能の名残で、誰の脳にも組み込まれています。

積立NISAの画面を開いて含み損を見るとき、あなたの脳は「損失」を検知して警報を出しています。「早く逃げろ」「これ以上傷を広げるな」というシグナルが出る。そこに「暴落は一時的」という知識が割り込めるかどうか、は意志力の問題ではなく、脳の構造の問題です。

「含み益があるうちに逃げよう」が生む最悪の罠

さらに厄介なのが、「含み損になる前に売る」という判断です。「まだプラスの今のうちに逃げておこう。底で買い戻せばいい」という考えは、一見合理的に見えます。でもこれが、最も損失を大きくするパターンです。

暴落の底がどこかは、後からしか分からない。「底で買い戻す」は理論上は正しく見えて、実行できた人はほとんどいない。

相場はV字回復することも多く、「もうちょっと待てば底になるはず」と待っているうちに、どんどん高値になっていきます。売った値段より高くなってから「やっぱり買い戻せない」となる——これが次の体験談で話す、私が3年間ハマった罠です。

これは理論の話ではありません。私自身が含み益のある状態でコロナショック中に売り、3年間身動きが取れなくなりました。次のパートでその顛末を話します。

私がコロナショックで含み益を売り、3年間動けなかった話

2020年2〜3月、「売って底値で買い戻す」と決めた日

2020年2月のことです。新型コロナウイルスの感染拡大とともに、世界の株価が急落し始めました。私は当時、企業型DC(確定拠出年金)で外国株インデックスに200〜300万円相当を積み立てていました。少額の積立NISA枠も、合わせて30万円に満たない程度持っていました。

当時の私は、まだ含み損にはなっていませんでした。「これは歴史的な暴落になる。一度売って、底で買い戻せば大きく増やせる」と判断しました。今から思えば信じられない話ですが、そのときは「合理的な判断をしている」つもりでした。株価は落ち続けていたので、「売ったおかげで損を回避できた」という感覚もあり、自分の判断を正しいと思っていました。

1〜2ヶ月後に相場が回復し「しまった」となった経緯

コロナショックの底は2020年3月下旬でした。私はその底で買い戻すことができませんでした。「もう少し様子を見てから」「まだ不安定だ」と思っているうちに、世界の相場はV字回復を始めました。

5月頃、気づいたら株価は売った値段を超えていました。「しまった」と思いましたが、「また落ちるはずだ」「次の大暴落が来たときに買い戻せばいい」という考えに切り替えました。これが行動経済学でいう「アンカリング」——一度決めた価格(売値・底値)に感情が縛られる状態です。

底値執着が3年間を縛った

「次の暴落が来たら買い戻す」と待ち続けた結果、企業型DCで株式インデックスに戻せたのは2023年のことでした。約3年間、現金同等ポジションで運用機会を失い続けたことになります。その間、世界株は大幅に回復・上昇しました。「もしそのまま持ち続けていたら」の機会損失は、頭の中で計算するたびに大きくなっていきました。

コロナショック後の3年間・機会損失の実感
3年間・現金同等ポジション
企業型DC 200〜300万円相当・世界株の回復期間を丸ごと逃した

一方、少額の積立NISA(30万円未満)は2020年末にオルカン(全世界株)とS&P500で再開することができました。「大きい金額だから心理的なプレッシャーが小さい」わけではありません。むしろ逆で、大きい金額ほど感情の支配を強く受けます。少額だったから、踏み出しやすかった。この対比が後のリカバリーの話に続きます。

金額が大きくなるほど、感情の影響も大きくなる。「少額から始める」には、心理的な合理性がある。

積立NISAで暴落時に「やってはいけないこと」3選

体験談を踏まえて、暴落時にやってはいけない行動を整理します。知っているだけでは止まらないことは分かっていますが、「なぜやってはいけないか」の構造を理解しておくことが、仕組みづくりの第一歩です。

暴落時にやってはいけない行動 3選

1
積立を一時停止する

「落ち着くまで止めよう」という判断は、安い時期に買える機会を捨てることと同義です。ドルコスト平均法の最大のメリット(暴落時に安く多く買える)をみずから放棄することになります。

2
ファンドを売却して底値を待つ

私がやってしまったパターンです。「底で買い戻す」は実行できる人がほとんどいません。売った瞬間から、「いつ戻るか」を考え続けることになり、精神的な負荷が長期にわたります。

3
「もっと下がるかも」で再開を先延ばしにし続ける

売った後、または一時停止した後に「まだ不安だから」と再開を遅らせるパターンです。相場は待ってくれません。先延ばしが長引くほど、機会損失のコストが積み上がります。

暴落は「計画外の事故」ではなく「計画の一部」である

暴落を「予期せぬ不運」として捉えている限り、毎回パニックになります。でも視点を変えると、暴落は「長期積立をしていれば必ず経験するイベント」であり、計画に最初から含まれているものです。

過去30年で暴落は何回あったか

過去30年間を振り返ると、大きな暴落だけでも以下のようなものがあります。

暴落イベント時期世界株の下落幅(概算)
ITバブル崩壊2000〜2002年約▲50%
リーマンショック2008〜2009年約▲55%
欧州債務危機2011年約▲20%
チャイナショック2015〜2016年約▲20%
コロナショック2020年約▲34%
米国利上げ・インフレ局面2022年約▲25%

30年間で6回以上の大きな暴落があります。これから20〜30年の積立を予定しているなら、その間に5〜8回の暴落を経験することは「予定通り」です。「また来た」と思えるかどうかが、長期投資家のメンタルの違いを生みます。

暴落は例外ではなく、長期積立の「通常運行」の一部。「次も来る」前提で設計することが、感情に左右されない基盤になる。

「何もしない」を実行できる人になる3つの仕組み

精神論では続きません。「強い意志で乗り越えよう」ではなく、「そもそも動けないような仕組みをつくる」ことが大事です。私が3年間の失敗から学んだ、具体的な設計を3つ紹介します。

① 生活防衛資金を先に分離する

暴落時に「売りたい」と感じる最大の原因の一つは、「この資金が必要になったらどうしよう」という不安です。生活費の3〜6ヶ月分(できれば12ヶ月分)を現金で別口座に保持していれば、投資口座の含み損を見ても「使う予定のないお金」と割り切れます。

私の失敗の遠因の一つは、生活防衛資金の設計が甘かったことでした。「もし相場がもっと下がって、急にお金が必要になったら」という漠然とした不安が、売却判断を後押ししました。

② 積立を「見ない運用」に切り替える

毎日ポートフォリオを確認するほど、損失回避バイアスが働く機会が増えます。積立設定を自動化したら、確認頻度を月1回または四半期1回に下げることをおすすめします。

具体的には、証券会社のアプリのホーム画面から損益表示を非表示にする設定を使う、または暴落中はアプリ自体を開かないというルールを自分に課す方法があります。「見なければ売れない」は、シンプルですが効果的です。

③「稲妻が輝く瞬間に居合わせる」ことを腹落ちさせる

投資の名著『敗者のゲーム』(チャールズ・エリス著)には、こんな言葉があります。

「株式市場の高いリターンのうち、ほんのわずかな期間に集中している。投資家がその瞬間に市場に居合わせていなければ、リターンの大半を取りこぼす」

これを「稲妻が輝く瞬間に居合わせる」と表現します。暴落後の急激な回復は、数日〜数週間に集中しています。その瞬間にポジションを持っていなければ、長期リターンの大半を失います。コロナショックでいえば、2020年3月末〜4月の急反発がまさにそれでした。私は売っていたので、その「稲妻」を逃しました。

今の私は、暴落が来ても積立を変えません。含み損が何%になっても、設定を変えるつもりはない。それは楽観論ではなく、過去の実績と『敗者のゲーム』の原則を、体感として理解したからです。コロナショックで3年間動けなかった経験が、逆にこの確信を強くしてくれました。

一度売ってしまった人へ:リカバリーの考え方

「すでに売ってしまった」「すでに積立を止めてしまった」という方へ。後悔している気持ちは分かりますが、過去の売却を元に戻すことはできません。大事なのは、ここからどう動くかです。

「底値を逃した」事実は変えられない

売ってしまった後に「あのときの底値で買い戻す」ことに固執するのは、私が3年間ハマったアンカリングの罠です。底値はすでに過去のもの。「あの価格でなければ買い戻せない」という思い込みを手放すことが、最初のステップです。

「高値で買い戻すのは悔しい」という気持ちはよく分かります。ただ、今日の価格は10年後から見れば「あのとき買っておけばよかった」価格になっている可能性が高い。これは長期積立の本質です。

今すぐ再開することが唯一の正解

私が2020年末に少額積立(オルカン+S&P500)を再開できたのは、「まず少額から再開する」という一歩を踏み出せたからです。企業型DCの大きな金額には3年間触れられませんでしたが、少額積立は「失っても生活に影響しない金額」だったので、感情のハードルが低かった。

もし今、再開のタイミングを迷っているなら、少額から再開することを考えてみてください。「今は高すぎる」「もう少し下がったら」と待ち続けることは、私が3年間やり続けた先延ばしとまったく同じ構造です。

再開が遅れるほど、機会損失のコストは積み上がる。最善の日は「過去の底値」ではなく「今日」かもしれない。

よくある質問Q&A

Q. 暴落中に買い増しすべきですか?
A. 「すべき」かどうかはその人の状況次第ですが、生活防衛資金を超えた余剰資金がある場合、追加投資(スポット買い)は選択肢に入ります。ただし、無理をして生活資金を投資に回すのは逆効果です。まず「積立を継続する」ことが最優先で、余裕があれば買い増しを検討する、という順番が安全です。
Q. 暴落中にファンドを乗り換えてもいいですか?
A. 「より良いファンドに乗り換えたい」という理由なら、暴落中・暴落後に関係なく検討して構いません。ただし、「暴落が怖いから守りのファンドに乗り換える」という動機での変更はおすすめしません。暴落局面で守りの資産に逃げることは、その後の回復期のリターンを取りこぼすリスクがあります。
Q. 新NISAになって暴落時の対応は変わりましたか?
A. 本質的には変わりません。新NISA(2024年〜)は非課税枠の恒久化・年間投資枠の拡大が主な変更点で、「暴落時も継続する」という原則は旧つみたてNISAと同じです。むしろ、売却しても翌年以降に非課税枠が復活する仕組みになったため、「売ってはいけない」プレッシャーはやや下がりましたが、売却後に買い戻すタイミングを逃すリスクは変わりません。

まとめ:暴落時に「何もしない」を実行するために

  1. 暴落時に感情で売ってしまうのは意志の弱さではなく、脳の「損失回避バイアス」が原因
  2. 「含み益のうちに売って底値で買い戻す」は実行できた人がほとんどいない。私も3年間ハマった
  3. 暴落は計画外の事故ではなく、30年積立なら5〜8回は経験する「計画の一部」
  4. 仕組みは3つ:①生活防衛資金を分離 ②積立を自動化して見ない ③「稲妻が輝く瞬間に居合わせる」を腹落ちさせる
  5. すでに売ってしまった人は、少額からでも今すぐ再開することが唯一の正解

先延ばしのコストは、私の3年間が証明しています。「今日始めること」が、将来の自分への最大の贈り物です。

記事を最後まで読んでいただきありがとうございます。「継続が大事」と分かっていても、それを実行できる仕組みを持っている人は少ない。私が3年間動けなかった遠因のひとつは、そもそも「自動積立の仕組みが整っていなかった」ことでもありました。口座設定を後回しにし続けることは、先延ばしと同じコストがかかります。

始めるのが早いほど有利なのは事実です。ただ、焦る必要はありません。先延ばしのコストは、3年間動けなかった私が証明しています。まだ口座をお持ちでない方は、信頼性・使いやすさ・手数料の面から定評のあるSBI証券または楽天証券から始めることをおすすめします。

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